© 2017 the eastern monkeys

海鳴り

愛する者の名前を呼び続けるかのような海鳴り

 

波の音に疼く身体を持て余してる

塩の香りが喉を傷め岩に砕ける波しぶきに裸の魂が震えてる

 

君が愛したこの世界はこんなにも厳しく

 

波打つ碧い砂漠が渦を巻いて全てを呑み込んだ

溺れる者の呼吸を底に沈めて光を閉ざす

 

座られることもないまま佇む椅子が

砂に埋もれて喘いでいるその息が途絶えるのも待たず黒い馬が走り去ってゆく

 

君がいないこの世界はそれでも美しく

 

全てを喪った時恐れるものは何もないと言う

それでも遺された痛みを忘れることだけは恐れてる

 

光に向かって翔てゆく黒い馬は 命を集めて死ぬまで走り続ける

 

君を忘れたこの世界で何が聞こえるだろう

何を歌うだろう

 

愛する者の名前を呼び続けるかのような海鳴り

全ては残酷に輝く、気が狂いそうなほど美しく

愛する者の名前を歌い叫び轟く海鳴り

全てを喪ってさえもこの悼みこそが生きる希望なのだと